雲を掴む話
九月の積乱雲


2003.9.9(17:51)撮影(高槻市にて)

心から 鬼とも見ゆる 雲の峰

小林一茶

 雲の峰−夏、峰のように高く立つ雲(入道雲)のことを「雲の峰」と
言い、夏の季語となっている。雲が、連なり峰のようになっている様
を表している。確かに俳句で「にゅうどうぐも」とは、言いにくい。
 なるほどと思わされる言葉だ。この、雲の峰、まるで原爆のきのこ雲
を思わせる勢い。将に、鬼のように感じた。この雲の高さも10、000m
を超えているのだろうか・・・

 2003年は、盆前が冷夏で、盆明けから暑さが増しました。
九月に入って連日入道雲が発生しておりました。



2003.9.9(17:48)

 最初の二枚の写真のきのこの笠の部分を見比べると
下段(17:48)のでは、上昇した雲が成層圏とやや手前で、
一度速度が落ち、それを下から更に押し上げて、一度留
まった雲を突き抜けている様にも見える。

低い位置に有る手前の黒い雲が不思議で不気味である。

右側の低い雲も成長中の立派な積乱雲。中央の雲の
巨大さを感じさせる。






   積乱雲の上空に気温の逆転層がある場合、ペールの
ような雲が発生し、積乱雲の成長を妨げようとする。


2003.9.9 18:46
辺りが薄暗くなると、雲の中を縦横に稲光が走っているのが見える。
およそ、10秒おきに尽きることなく、稲光が輝いていた。



2003.9.9 19:02

この積乱雲は、何処に発生したのだろう。


@ 9月9日14:00

A 9月9日15:00

B 9月9日16:00

C 9月9日17:00

D 9月9日18:00

E 9月9日19:00

高槻市から、南を望んで見られたこの積乱雲。
気象衛星の画像を見ると、和歌山県南部に発生したものだと判る。
140kmも離れていた雲や稲光を見ていたのかと思うと驚きを覚えた。
長男も、川西市から同じ雲の稲光を見たようで、入道雲のスケールに
改めて驚いた。
この、積乱雲、15時頃より発生し、17時頃輪郭が一番はっきりしている。
18時頃より東へ流れ始めていることが判る。

気象衛星の画像をよく見ると兵庫県北部にも積乱雲が発生していることが判る。
これは、「丹波太郎」と呼ばれている積乱雲。
京都では、周辺に発生する入道雲の位置により次のように呼んでいる。

 (1)丹波太郎
    雷雲の発生地点・・・氷ノ山を中心とした兵庫県北部
    進行方向・・・兵庫県中部を通り東進、あるいは京都府北部から南南東進
    特徴・・・途中で一旦弱まるが、京都盆地に入り急速に発達する。雨量は山城次郎よりは少ない。
 (2)山城次郎
    雷雲の発生地点・・・奈良盆地や奈良の山間部
    進行方向・・・奈良から北上
    特徴・・・京都府南部の山城地方中心に被害をもたらす。雨量は平均的に多い。
 (3)比叡三郎
    雷雲の発生地点・・・琵琶湖周辺
    進行方向・・・南西進
    特徴・・・雨量は少ない。
そのほか、入道雲の別名としては、
 関東では、利根川の「板東太郎」
 九州では、筑後川の「筑紫二郎」
 四国では、吉野川の「四国三郎」  などが有名


9月8日の山城次郎


2003年 9月8日15:24

2003年 9月8日15:29
わずか、5分間でこんなに成長をしていった。
午後5時頃には途方も無い大きな入道雲となって、
奈良県地方に大雨・雷警報をもたらした

15:00
奈良県中央に白くくっきりと積乱雲発生
(14:00の画像では何も見られなかった)

17:00
雲が奈良県全域から三重県・和歌山県に
かかって大きく発達した。




せきらん‐うん【積乱雲】
十種雲級の一。垂直に発達した積雲。雲頂はむくむくしているが、
圏界面に達すると巻雲状に水平にひろがり、全形が朝顔状や鉄床(カナトコ)状になる。
雲底は乱層雲のような形になる。多くは雷雨現象を伴う。入道雲。雷雲。記号 Cb

おはようトクシマ 山下勇気象一口メモ より
http://www.jrt.co.jp/tv/ohayo/weather/0206.htm
 夏は雷の季節である。雷が発生するためには、入道雲と呼ばれている積乱雲がなく
てはならない。真夏の強い日差しによって発生する、積乱雲の出来方について、まず
太陽熱によって熱せられた地面がその上の空気を暖める。温められた空気は上昇し、
気温の低下によって水蒸気が小さな水滴、つまり雲粒が出来る。このとき、水蒸気が
持っていた熱が放出され、空気は再び暖められて上昇する。このとき、上空の気温が
高いと、上昇する空気は、まわりの空気より冷たくなって上昇はストップする。ところが、
上空の気温が低いと、上昇する空気は更に上昇を続け、積乱雲へと発達する。こうして
出来た積乱雲の中には、雪や氷がたくさん含まれていて、プラスやマイナスの電気が
滞留する。この電位差が大きくなると、放電する。これが雷である。

積乱雲に垣間見た「虹」

2003.9.12 17:07 高槻市にて撮影
右側の雲の頂部に虹が・・・。
虹が見てたのはほんの一瞬だった。カメラを向けるうちに消えてしまった・・・


入道雲を判りやすい解説をして頂いているサイトを紹介します。

山梨気象歳事記  夏休み子供気象教室
http://www.nhk.or.jp/kofu/kisyou_15.html


さとるのお天気教室
http://www.sannichi.co.jp/TENKI/20010515.html


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