第87会全国高校野球選手権 準々決勝(第2試合)
平成17年8月17日
一 | 二 | 三 | 四 | 五 | 六 | 七 | 八 | 九 | 計 | H | E | |
鳴門工 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 6 | 10 | 3 |
駒大苫小牧 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0 | X | 7 | 10 | 0 |
2回戦 駒大苫小牧5−0聖心ウルスラ(宮崎)、3回戦駒大苫小牧13−1日本航空(山梨)と順調に勝ち進んだ、駒大苫小牧。 しかし、準々決勝の相手は、鳴門工(徳島)。 鳴門工は、徳島大会での平均得点8点以上、チーム打率も3割8分を上回り、犠打も17。 「お家芸」の機動力野球に長打力を兼ね備えた「新生・うずしお打線」で勝ち上がったチーム。甲子園に来てからも、 1回戦宇都宮南(栃木)に14−3、2回戦丸亀城西(香川)に6−0、3回戦高陽東(広島)に10−0と、その勢いは、留まる所を知らない。 一方、駒大苫小牧、昨年は、愛媛・済美高校に対し13−10の、打ち合いを征して優勝した高校であるが、今年は、 打撃のチームではなく、むしろ、堅い守りのチーム。 この、鳴門工戦が、天王山。この試合を征せれは、大きな勢いが付くであろうと感じた。 しかし、鳴門工に勝つのは、決して容易ではないだろう・・・、今年は、準々決勝で、敗退かもしれない・・・とも、感じていた。 準々決勝の組み合わせが、決まった途端、居ても立って居られなくなり、甲子園へと応援に行ったのでした。 試合は、初回から、鳴門工が、あっさり2点を先制され、すぐさま、1点を取り返したものの、鳴門工の左腕田中投手を捕らえることが出来ず、 三回表追加点を許し、3−1。さらに七回表、駄目押しとも思える3点を取られ、6−1と大きく離されていた。 プロの野球選手であれば、この試合、もう、先を読んで捨てていたかもしれない。しかし高校野球は、違う。まして、昨年、あれだけ、凄まじい 戦いを征してきた、駒大苫小牧。今年も、地区予選・地区大会を苦しんで勝ち抜いてきた駒大苫小牧。誰もが、諦めず、必ずや訪れるチャンスを 狙っていた。しかし、甲子園の名門・鳴門工相手に、七回までに、6−1と大きくリードされ、ビッグネームの前に、北海道のチームは、今年は ここまでか・・・と、誰もが、思い始めていた。しかし、チャンスは、どのチームにもあり、それを、逃さなかった駒大苫小牧は、奇跡的な、大逆転を 起こし、準々決勝を征した。 |
試合開始 |
試合前のノックを行う幸田監督 |
試合開始前アルプススタンド応援席に挨拶する選手たち |
いざ、試合開始。相手は、四国の鳴門工業高校。3塁側の応援席をからも、歓声が沸き上がる |
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先発、エース 松橋君(3年生)とキャッチャー小山君(3年生) 松橋君は、聖心ウルスラでは、9回を僅か二安打の完封ピッチング。 鳴門工戦でも、149kmの直球を投げ、スタンドからどよめきが沸いた。 |
1回裏 | 鳴門工に2点先制された一回裏、1番セカンド林君の、初球ホームランで、 見せ付けられた鳴門うずしお打線のいやなムードを振るい去った! |
1番セカンド林君 挨拶代わりに、初球ホームラン!! 甲子園は、初球から、地響きのような歓声が沸き上がる |
3塁ベースを回る林君 1回、鳴門工に二点先制されるも、反撃の狼煙をあげる |
序盤−中盤 | 鳴門工 左腕田中投手に苦戦 |
鳴門工 左腕田中投手 6回まで、68球。ホームランを含む、5安打を許すものの、 三振9つ、内野ゴロ9つと、完璧なピッチング。 右バッターは、内角胸元の直球と沈むスライダーやカーブで、 窮屈そうに、三振を奪われ、左バッターは、球が、みなショートへ 飛び、堅い守りに、出塁を阻まれた。 |
7回裏 | 奇跡の大逆転 駒大苫小牧劇場 |
七回先頭打者、6番ファースト岡山君。1−2塁間を抜いて、ライト前へヒット。短打と思ったが、ライトがもたつく間に一気に2塁へ。 打たれた方も、短打と思っていたのだろう。一気に2塁まで走られ、相手の動きに乱れが見られた。 ところが、岡山君、ここで一気に三塁まで走り出した。 スタンドからは、「おいおい・・」「あっ馬鹿な・・・」とも付かない「ウォ〜」と地響きが成った・・・ 岡山君、ライトの返球がそれ、更に三塁手が、二塁によって来るのを見るや、一気に三塁まで走ってしまった。 |
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「仰天ラン」をみせ、ムードを変えた岡山君 三塁に仁王立ち |
7番代打佐藤君、しぶとく粘りフォアボール(無死1,3塁) |
8番キャッチャー小山君 センター前ヒット 1点を返す(6−2、無死1,2塁) 鳴門工 この時はまだ、1,2点など問題が無いと思っていた・・・ |
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9番ピッチャー田中君 しっかりと送りバントを決める(一死2、3塁) |
1番セカンドキャプテン林君レフトオーバー2ベースヒット |
ランナー2人を返し6−4、あと2点 |
2塁で手を上げる林君。一死2塁 |
2番 鉄壁な守備のサード五十嵐君、センター前ヒットで、一死一,三塁とチャンスを広げる |
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3番 ショート辻君の当たりは、内野のエラーにより、セーフ。 三塁走者林君が生還し6−5と一点差に詰め寄る。一死1,2塁 |
4番センター本間君(2年生)、これまで田中投手の内角の 変化球に苦しめられてきたが、甘く入ってきた直球をはじき返し センターオーバーの2ベースヒット。6−6の同点となった! |
4番の大役を果たした、2年生の本間君。一死2,3塁 |
5番レフト青地君 フォアボールで、一死満塁 |
七回裏、6−6の同点で、一死満塁。誰もが祈った、「あと1点」。この回、2回目の打席の6番ファースト岡山君。 逆転・勝ち越しの犠打を打つ瞬間 |
8回表 | 鳴門工に追撃を許さず |
三回より、ロングレリーフの田中君(2年生)、6回1/3を投げ、打者24人に対し、ヒット4本、奪三振12の好投。 8回は、三者連続三振を奪う |
9回表 | 奇跡の大逆転を成し遂げ、準決勝へ |
9回表、鳴門工3番センター柳田君を三振に仕留めゲームセット |
勝利の雄たけびを上げる田中君と小山君 |
本当に、苦しい試合を勝ち抜いた・・・勝利をかみ締める苫小牧ナインたち |
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お互いを称え合う、両校の選手たち |
互いにグランドから立ち去りがたく、 忘れられない試合になったことだろう・・・ |
苦しみながらも、僅かなチャンスから、大逆転を成し遂げた |
校歌の斉唱と校旗の掲揚 さあ、次は、強豪大阪桐蔭戦・・・ |
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