金星 宵の明星

桜も咲き始めた春分の日の夜、西の空に一際鮮やかに輝く金星(−4.3等級)
よく見ると、昨年夏に大接近した火星が左上に見られる。
大接近時には視直径25”、明るさH−3等級だった火星だが、現在では、視直径5.0”、明るさ1.4等級となっている。
撮影平成16年3月20日 19:39
NIKON D70 / レンズ20mm/f=16/30秒 

金星付近のアップ
肉眼では、金星の周辺には星は見られなかった。しかし、カメラには、6等星の暗い星まで写っている。
撮影平成16年3月20日 19:20
NIKON D70 /レンズ35mm/ f=4.5/ 10秒 

オリオン座・おうし座・金星
冬の明るい星座と比べても、金星が一際明るい事が解る。
撮影平成16年3月20日 19:48
NIKON D70 レンズ20mm/f=16/30秒 



撮影 2004年3月13日(土) 19:26 兵庫県川西市

デジカメFUJIFILM FinePix4700+望遠鏡

西の空に一際鮮やかに輝く金星。2004年春は、3月30日に、東方最大離角を迎えます。
地球から見て、太陽から最も離れた場所に位置し、観測しやすい時期となります。
日没時の明るさは、−4.4等級、西の空高く輝きます。最大離角時の視直径は、22.4”となり、
大接近した火星並の大きさです。
最大離角時に、ちょうど半月の様に輝きます。
この写真は、最大離角に達する17日前の3月13日の撮影で、光度が約−4.3等級、約視直径が20.0”
位の時の写真です。空は、晴天ながら、黄砂舞い散る日で、ぼんやりとくすんだ空でした。




 

  金星ってどんな星?

       

■憧れの星 金星
「宵の明星」「明けの明星」
と、いいますが、金星が西の空見えるときは、一際鮮やかに輝く一番星になります。
マンガ「巨人の星」に出てくる、西の空に一際輝くあの星は、やはり金星なのでしょう。
 西洋では Venus(ラテン) ビーナス(ギリシャ神話では アフロディーテ; バビロニアではイシュタル)
は愛と美の女神です。
最も明るく輝いている星にちなんで、このような名前が付けられてとされています。
金星の地名もほとんどが女性に由来する名前が付けられているようです。

■地球と双子の星?

 金星は、地球の直ぐ内側にあり、大きさ的にも近く双子の星と言われてきました。
 その金星、天文学的なデータは、次の通り
太陽から2番目の惑星で、6番目の大きさです:
太陽からの距離: 108,200,000 km (0.72 天文単位) (地球と太陽の距離 1.0天文単位)
直径: 12,103.6 km (地球の95%)
質量: 4.869×10^24 kg (地球の80%)
平均密度:5.2(地球5.52)
赤道重力:0.907(地球1.000)
金星の軌道は太陽系の惑星の中で最も円に近く、離心率は1%以下です。

■地球に一番惑星

太陽と地球との平均距離は1天文単位(1AU)
 1AU = 149,597,870,660 m
2003年地球と火星が6万年振りに大接近した距離が
 55,758,000,000m=0.37AU
金星が地球に接近すれば
 1.0−0.72=0.28AU 
となり、やはり、金星が地球に一番近い惑星となる

■自転・公転の不思議

1. 金星の自転は、非常にゆっくりしている。(自転周期243日)
(地球から海王星まで、それぞれ0.4日〜1日程度、冥王星6.4日、水星58.6日となっており、金星だけが異常に長い)
 2.地軸が逆さま
3. 公転周期は、自転周期より長い
4. 金星の自転と公転の周期は、地球と金星が最も接近したときにいつも同じ面を向けるように同期しています。

■金星は住みよい所?

 金星の大気と地表の状況は
1. 水がほとんど存在しない
 金星と地球はほとんど同じ素材。しかし、太陽の影響を強く受け、蒸発した水は、紫外線で分解され、
 大気中に干上がったとされている。(暴走温室効果)地表温度は750Kに達する。(太陽に近い水星より熱い)
2.地面が見えない:
 紫外線による化学反応で、高度 50 - 70 km 付近に硫酸の雲が発生しており、それに遮られるため,
 地表面を可視光で見ることはできない。硫酸の雲と二酸化炭素の大気で、前述の温室効果を作っている。
 対流性の雲ではないので、地球のような、雲の模様にはならない。
 (金星の鮮やかな写真が撮りにくいのは、こうした厚い大気の為に、表面の様子が伺い難い為)
3.自転よりも早い東西風がある
 雲の動きを観測すると4日で1回転する東西風がある。その速さは、秒速100mに達する。
4.地表気圧は90気圧を超える(水深1kmとほぼ同じ気圧)
 どう考えても、住みやすい環境ではありませんね!

=余談=
■金星は、地球に近い惑星?

 ・・・しかし、小惑星となると話は違う。
小惑星は、まだまだ未知の存在。
実は、
地球とほぼ同じ軌道を持つ小惑星がある。
http://www.astroarts.co.jp/news/2003/01/06mp2002aa29/index-j.shtml
2002 AA29という番号の付けられたこの小惑星は、2002年1月9日に発見されたもので、直径60mほどの小さな天体である。
太陽からの距離(軌道長半径)はほぼ1天文単位で、これは太陽から地球までの平均距離と同じで、
小惑星は太陽からの重力と地球からの重力を受けて複雑な動きをし、地球に近づいたり遠ざかったりしながら、
だんだんと地球の公転軌道の後ろ側から地球に近づいている。2003年1月8日ごろには地球から590万km(0.039AU)の
ところまで近づくということだ。上記アス####アーツの記事に詳しい記載がある。

また、1986年に発見された、
小惑星3753は、地球に付き纏う変な小惑星
公転周期は一年で、大きさは、1〜10km程度と見られている。太陽の周りを廻ると言うよりは、
太陽と地球の重量を受け、両者の間をさまよっているようにも感じる。
http://astro.ysc.go.jp/index5.html#1986to
横浜こども科学館 宇宙・天文ニュースのなかの
「地球に付きまとう小惑星」で紹介されている。
軌道の動画がもあり、判りやすい。385年ごとに地球に近付き、その距離は、
月までの距離(38万km)の約40倍(0.0025AU)となる。




           

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